(ステートメント)
今年の夏に描いていた日記の絵を展示します。その日見たものをその日のうちに描いていると未来の誰かに手紙を書いているような気分にもなります。今日がどんな日だったのか、なにを見たのか、2021年7月23日は。未来の年表に載らない私の今日も大切な一日だったこと。描いた絵を見ると思い出します。
今回は、原民喜の詩を元に描いた絵も展示します。
「かげろふ断章」という小詩集には空や雲、草木など、季節に移ろう景色が原民喜の視点で書かれています。昔と今、言葉と絵。原民喜と私が見ている雲は違うものだけど、どこかで繋がっている気がしています。私の絵も空に浮かぶ雲みたいに時々誰かに見つけてもらえたらいいなと思いながら描きました。
2021年9月
竹浪音羽